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DANCE BOXのブログ

日がな一日、ダンスボックスの記録

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【循環プロジェクト】関東ツアーのご報告

2009/06/18(Thu)18:24

(たいへん遅ればせならがですが、循環プロジェクトの関東ツアーの模様をお伝えします。最後に写真も少々掲載してます。)

5月26日~31日
旅をした循環プロジェクト
循環プロジェクト「≒にあいこーるのじじょう」ツアー。
於:5月28日、世田谷美術館、30~31日桜美林大学プルヌスホール。

とにかく、ダンサー、スタッフ、介助者すべてにとって、熱くてハードな日々であった。1週間に2つの異なる空間での公演。基本的な構成は変わらないものの、場所と身体がいかに拮抗しながら、表現を立ち上げることができるのか。連日、美術、音楽、ダンス、すべての分野で議論を重ねながらの舞台であった。
世田谷美術館の公演はあいにくの天候にもかかわらず、満員の観客。1回目のコールが終わった後、拍手が鳴り止まず、あわてて2回目のコールへ。一同、感激する。
桜美林大学では、学生の実行委員会の献身的な働きっぷりに感謝。例年の招聘公演とは異なり、障がい者と関わることで、様々な課題と直面したと思うが、発見もあったことと思う。
私たちも彼らと協働出来たことを、幸せに感じている。
循環プロジェクトの現在までの経過をGALA OBIRIN2009のパンフレットに書きましたので、ここに転載いたします。(I)

GALA OBIRIN2009 に向けて

循環プロジェクト「≒」(にあいこーるのじじょう)は2007年秋にワークショップからスタートし、2008年4月に当時、新大阪にあった元東淀川勤労者センターで初演しました。
いわゆる劇場ではなく、会議室を中心にロビーから廊下、トイレといった空間を観客が巡回しながらダンスを観るという試みでした。
この公演は明治安田生命が支援するエイブルアート・オン・ステージというプログラムに選択され実現したわけですが、きっかけは6年前からコーディネイトしていた障がい者のためのダンスワークショップの参加者から、本格的な舞台を経験したいという声があがったことに始まります。
まず、障害があるということをマイナスとしてとらえるのではなく、独自性として考え、参加者の才能を引き出すために、3人のナビゲーターを選びました。
ダンスは砂連尾理、美術を川井ミカコ、音楽にスカンクといった、それぞれのアートの分野の第1線で活躍しているアーティストです。参加者は従来のダンスや音楽、美術に対する既成の概念を取り払うことから始めました。また、何かを与えられてするのではなく、自らが主体になって舞台作品に関わることも求められました。ナビゲーターや統括として関わってきた私も、参加者から学ぶことが多くありました。もっとも稽古のプロセスで学んだことは<待つ>ということでした。こちらの事情を押し付けないこと。また、参加者の事情に寄り添いすぎないこと。<待つ>ことから、<せめぎあう>ことへ。そこから表現が立ち上がってきました。
そうして出来上がった「≒2」(にあいこーるのじじょう)は初演後、昨年の12月には同じく明治安田生命の社会貢献プログラムのコラボ・シアター・フェスティバルに選ばれ、東京公演が実現し、その公演を観た桜美林の学生さんたちが、今回のGALA OBIRIN2009に選んでくれたわけです。
このGALA OBIRINには現在まで、コンドルズ、バティック、ニブロールという日本のコンテンポラリーダンスのトップランナーが選ばれてきました。今回、循環プロジェクトが選ばれたことは、障がい者のアートという枠組みではなく、純粋に舞台芸術としての作品力を実行委員会のメンバーに評価していただいた結果であると思います。そのことは私たちを大きく勇気づけてくれました。
社会のなかに存在する様々な境界をアートを通じて、ゆるやかに乗り越え、多様な価値観をもつ人たちとつながり、循環していくこと。そこに人間の生存の根源的な豊穣さと切なさを、この公演を通じて感じていただければ幸いです。

DANCE BOX Executive Director
循環プロジェクト「≒」統括
大谷 燠


以下、桜美林大学公演でのスナップです。


ゲネ・プロ前の一同顔合わせ


開場前のひと仕事。舞台の袖のすみっこにて。わいわい。


開場前の統括・大谷。なにを考えているところでしょうか。


開場前の楽屋にて。


アフタートーク。みんな勢ぞろい。


アフタートーク。
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